卒後教育システム
私たちが目指すセラピスト像
昭和大学統括リハビリテーション技術部では、各施設のスタッフにより構成される卒後教育委員会が中心となり、セラピスト教育に取り組んでいます。私たちが目指すセラピスト像は、患者さんをより良い状態に変えることができる専門的実践能力を有していることに加え、高いコミュニケーション能力やチーム医療への参加、教育指導やマネージメント、社会に貢献できる能力を有している人材であり、これらのコンピテンシーを意識しながら様々な教育プログラムを実践しています。
教育研修内容
チェックリストを使用した各施設での現場教育と並行して、卒後教育委員会でラダーによる到達度評価を行っています。また、統括リハビリテーション技術部は急性期4病院を有しており、リスク管理やベッドサイドでの臨床教育に、特に力を入れています。どのような疾患にも安全に臨床ができるジェネラリスト育成、専門分野で将来的に日本のリハビリテーション医学を牽引できるエキスパート育成、組織を発展させる高い管理能力を有するマネージャー育成のための教育システムを展開しています。
支援体制
卒後教育を行ううえでの支援体制が充実しています。各施設で直接指導に当たる先輩セラピストやそれを支える管理者に加え、統括リハビリテーション技術部の各種委員会が、教育、医療安全、日常業務など様々な支援を行います。また、保健医療学部や昭和大学が持つ研究所によって教育、研究分野での支援も行っています。このような体制のもとで、統括リハビリテーション室はセラピストの人材育成を行っています。
昭和大学統括リハビリテーション技術部卒後教育の強み
統括リハビリテーション技術部には、臨床経験20年以上のベテランスタッフが多く在籍しており、各分野で講習会講師や英語論文公表など、その専門性を社会に発信しています。このようなエキスパートから、臨床の現場で直接指導を受けることができることに加え、上記に示した支援体制のもとで展開される卒後教育システムにより、医療人として、セラピストとして必要な教育を、各施設共通に受けることができます。この強みを活かして、これからも社会貢献ができる優秀なセラピスト育成に努めていきます。
臨床理学療法学・臨床作業療法学教員制度について
臨床理学療法学・臨床作業療法学教員制度
昭和大学の附属病院でリハビリ専門職の臨床理学療法学教員・臨床作業療法学教員制度が施行されてから8年が経過しました。既存のスタッフからも毎年数名の臨床理学療法学教員・臨床作業療法学教員が誕生し、大学の授業や臨床実習で活躍しています。また、新卒者採用試験でも将来的に臨床理学療法学教員・臨床作業療法学教員希望とする受験者が数名おり、臨床理学療法学教員・臨床作業療法学教員という言葉が昭和大学の関係者の中では一般的になってきました。令和6年4月現在、統括リハビリテーション技術部には、臨床理学療法学教員24名、臨床作業療法学教員10名が在籍しています。そこで、今回は統括リハビリテーション技術部における臨床理学療法学教員・臨床作業療法学教員制度とその活動について紹介したいと思います。
臨床理学療法学・臨床作業療法学教員の役割について
昭和大学の附属病院で働くリハスタッフの役割には「臨床」・「教育」・「研究」・「管理」の4つがありますが、臨床理学療法学教員・臨床作業療法学教員に求められる役割はその中でも「教育」・「研究」であり、准教授や教授には「管理」も求められます。
「教育」については、教育と臨床の融合、および臨床実習における教育効果の向上のために、病院実習の充実を図り、効果的な卒前・卒後教育を展開する役割があります。具体的な役割は下図に示しますが、病院(臨床)と保健医療学部(教員)の架け橋として、大学での演習と、臨床実習の両方で学生指導を行います。また、演習や実習が学生にとって実りあるものとなるよう、準備や実習指導者との連絡・調整も行います。
臨床理学療法学教員・臨床作業療法学教員は、大学における教員としての役割と病院におけるリハビリテーション職員としての役割を担っているため、教育と実践のバランスを図って活動できるように自律した活動が必要になります。また、リハビリテーション技術の向上を目的とした「研究」活動も必要になります。
臨床理学療法学教員・臨床作業療法学教員の役割を考えると難しく感じるかもしれませんが、臨床での経験を生かすことができ、未来の仲間を育てながら、自分も成長できる、とてもやりがいのある仕事です。
臨床理学療法学・臨床作業療法学教員に求められる能力について
臨床理学療法学教員・臨床作業療法学教員が一番活躍するのは臨床実習の場面です。
教育制度は時代の要請で改定され、臨床の研究によってさまざまなことが日々明らかになっています。令和2年度から養成校の学習指定規則が改正され、昭和大学の附属病院で行われる臨床実習も、従来の患者担当制からクリニカルクラークシップ(CCS)制に移行しました。学生個々の能力に合わせた本学の臨床実習は、一般のスタッフの協力を得ながら進めていますが、臨床理学療法学教員・臨床作業療法学教員に求められる能力は下図に示す5つの能力です。
臨床理学療法学・臨床作業療法学教員になるには
臨床理学療法学教員・臨床作業療法学教員になるための条件は、リハビリ専門職の国家試験合格後、大学院博士前期課程修了以上の学位(修士あるいは博士)を取得していること、5年以上の臨床経験があることです。
病院でリハビリテーション専門職として働き始めたとき、臨床と教育と研究に熱意があると感じた方は、まずは大学院への進学を考えてみてください。その先に道は開けます!!
保健医療学部との連携
令和6年4月現在、統括リハビリテーション技術部には臨床理学療法学(病院兼業)24名の教員、臨床作業療法学(病院兼業)10名の教員が在籍していますが、臨床理学療法学(病院兼業)教員、臨床作業療法学(病院兼業)教員は、教育と臨床の融合、および臨床実習における教育効果の向上のために、病院実習の充実を図り、効果的な卒前・卒後教育を展開する役割があるため、保健医療学部に在籍する教員(学部教員)との連携が重要になっています。
昭和大学の附属病院で行われる臨床実習では、学生に少しでも多くの体験学習をしてもらいたいと、臨床理学療法学(病院兼業)教員及び臨床作業療法学(病院兼業)教員は、学部教員と共に臨床実習の内容を計画し、一般のスタッフの協力を得ながら臨床実習を進めています。
また、本学の臨床実習は学生個々の能力に合わせて実施しているため、臨床実習前後に、学部教員と共に客観的臨床能力試験(OSCE)を行うことで学生の学習到達度を確認しています。また、実習前だけではなく、定期的にミーティングを行って、学生のリアルタイムな情報を共有しています。
臨床実習はすべて附属病院で行われているため、学部教員と臨床理学療法学(病院兼業)教員、臨床作業療法学(病院兼業)教員の密な連携体制は、他の大学教員からはうらやましいといわれています。
昭和大学では、常に学生に最善の教育を受けてもらうために各学部に教育推進室があります。保健医療学部の教育推進室には臨床理学療法学(病院兼業)教員、臨床作業療法学(病院兼業)教員も参加し、昭和大学の教育方針にあわせて教育の改革を進めています。教育推進室会議の後は学科や臨床の分け隔てなく、情報交換をしています。
https://www.showa-u.ac.jp/education/nr/