藤が丘病院リハビリスタッフの症例報告が「Medicine」に掲載
藤が丘病院神経内科 髙橋聖也先生と共同した、理学療法士 井上拓保さん、作業療法士 駒場一貴さんの共著論文の紹介です。「Successful management of immunotherapy- resistant respiratory failure in anti-mitochondrial M2 antibody-positive myositis by modified lung volume recruitment therapy」が「Medicine」に掲載されました。
LIC TRAINERRは、肺活量以上の陽圧換気を行うことで、肺や胸郭の柔軟性を維持するための機器です。LIC TRAINERRは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)診療ガイドライン2023において、呼吸理学療法の中の肺容量リクルートメント・トレーニングに含まれ、その有用性が記載されていますが、ALS以外の拘束性換気障害を呈する様々な神経筋疾患患者に対しても行われている現状があります。
本報告は、抗ミトコンドリア(anti-mitochondrial antibodies:AMA)M2抗体陽性筋炎の症例に対してLTを実践したものです。症例は、免疫療法抵抗性の呼吸不全により気管切開下人工呼吸器管理となった患者であり、LTにより人工呼吸器から離脱した経過を報告しています。呼吸筋力が低下し気管切開を行った患者のLTの実践を踏まえた呼吸リハビリテーションの効果が示されています。AMA-M2抗体陽性筋炎における重症の免疫療法抵抗性呼吸不全の治療にLTが有効である可能性が示唆されました。
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